お知らせ
夜間診療を経験し、獣医師として「見える景色」がどう変わったか?— スタッフ成長ドキュメント —
-はじめに
2022年10月、大阪公立大学獣医臨床センターで日本初の官民共同型の夜間救急動物病院がスタートしました。一般社団法人りんくう動物救急医療協会(RAEMA)は、「安心と期待が循環する救急獣医療」を掲げ、地域への安心と獣医学教育の発展という二本の柱を目指しています。
本記事では、現場で日々向き合うスタッフの言葉を通じて、夜間診療を経験することで「見える景色」がどう変わったのかをお届けします。
-現場の声:成長を実感する瞬間

平野代表理事
「スタッフの緊急症例に対する対応が、開院して2年でどんどん成長しています。安心を地域に提供できているのではないかという思いが、今のやりがいです。」
「自分の病院に通院されている方から、『先日夜間に行ったんですが、大変丁寧に見て頂いて』と話をされました。良いスタッフに恵まれて本当に良かったと大変嬉しく思いました。」
上林獣医師
「緊急が多いのが夜間。昼のスタッフが緊急はあまり慣れていない中で、1件1件の症例に時間をさけるのが夜間の良さ。意識がない状態のわんちゃんが歩いて帰れた時、やっていてよかったと感じました。」
「症例も幅広く、自然と視野は広くなります。学びの面でも、有料セミナー級の内容が定期カンファレンスで共有され、獣医師キャリアの中で活用できる知識やスキルが身についているなと実感しています。」
-夜間診療で磨かれる「思考」と「技」

平野代表理事は、「一般診療での病気の考え方とは違った思考が必要」と語ります。
昼は診断して→治療ですが、夜は状態安定→診断の順番。
緊急度を見極めて救命にあたるトリアージのシステムのもと、電話の入電から、来院、診察開始まで変化する生体の変化を読み取る対応が徹底されています。
月1回のカンファレンス、外部講師も参加する定期セミナーやスラックでの随時共有など、診療技術の向上に向けた取り組みも継続しています。
-チームで積み上げる「安心」

現場では、「それぞれの持ち味を出し、不得手はカバーし合う」関係性が根づいています。ミーティングやスラックで問題点をすぐに共有し、地域の協力獣医師先生にもアドバイスをいただくことが可能。
約40時間の研修を経て夜間専門の思考と動きを把握し、複数名体制での対応や安全なチーム診療を実践しています。
-文化としての発展:「安心と期待の循環」

RAEMAは、大学および地域獣医師が一体となって救急獣医療を提供し、地域へ安心(Relief)を与える短期目標から、実績と学術活動で信頼(Reliance)を高め、再び安心を生む循環(Rotation)を中期目標に掲げています。
長期目標としては、地域貢献と学生教育のサポートを両立し、南大阪発の文化として世界へ発信することを目指しています。
-教育との接続:次のフェーズへ

2025年度より、夜間診療科での学生教育が始まります。平野代表理事をはじめとしたRAEMA全体で「昼も夜も安心獣医療」を掲げ、24時間体制への課題解決と全国への広がりに期待を寄せています。
「救急医療のスペシャリストとして、全国の獣医師から信頼されるリーダー的な獣医師が誕生すれば頼もしく思いますが、何より日々の診療に真摯に向かうことが地域貢献につながると思っています。」
-新たなステージを望む獣医師へのメッセージ

平野代表理事:「RAEMAは地域動物病院と大学病院が一体となって夜間救急獣医療を提供し、地域への安心と獣医学教育の発展という2本の柱を目指しています。夜間診療特有の救急医療には即時の的確な判断が求められます。
勤勉さと向上心、そして協調性を持って取り組める方と共に獣医業界の新しい未来を創りたいです。」
-おわりに
夜間診療は、一般診療とは異なる思考で状態を安定化させ、診断へつなぐ実践の連続です。
1件1件の診療が、地域の安心をかたちづくり、次世代の学びへと受け渡されていく。
「安心と期待が循環する救急獣医療」の現場で、見える景色は確かに変わっています。
診察見学は随時受け付けていますので、お気軽にお申し込みください。